2021年10月28日に行われた、自閉症協会主催 2021年度第4回正会員向けセミナー”問題行動って何?(どうして起こるの?)” 前橋地区会の報告です。
講師:田口正子先生(独立行政法人 国立のぞみの園)
目次
2021年度第4回正会員向けセミナー”問題行動って何?(どうして起こるの?)”
11月18日(木)に群馬県社会福祉総合センターにて、前橋地区会(正会員第4回)を開催しました。
田口先生は、独立行政法人 国立のぞみの園で、長年、強度行動障害の方の支援をしていらっしゃいます。
現場での支援のみならず、ASDの特性、ASDの支援なども同時に学び、
知的障害とASDの合併の方の支援をする中で、ソーシャルストーリー・キャットキット、ストラクチャードティーチングなど、
「エビデンスのある教育を中心に幅広く学び、ASDについて理解を深めていくことが大事」と、今なお様々な研修を個人的に参加されているとのことでした。
凄い!
勉強会の内容
ASDの3つの特徴
氷山モデル
6つの支援ポイント
- 構造化された環境の中で
- 医療と連携しながら
- リラックス出来る強い刺激を避けた環境で
- 一貫した対応ができるチームを作り
- 自尊心を持ち一人でできる活動を増やし
- 地域で継続的に生活できる体制づくりを進める
- 強度行動障害の人たちは、周囲に「困った人たち」と思われている。
- 実は、強度行動障害の人たちは不安に囲まれ、一人で困り続けている人たち。
- 安心・安全の生活環境を提供することがとても大事。
- 安心・安全を提供するにはASDの特性に合わせた環境を支援者・保護者が提供する。
- 安心・安全、そして自分で「わかる。」「わかるよ。」が沢山ある生活。
- 「わかってくれた。」と自分のことを理解してくれる人の存在が大事。
辛く、困り切ってから支援を組み立てていくのは、時間も労力もお金も掛かる。
ぜひ幼いころからASDの子どもたちに安心・安全の環境を保障し、「分かる」、「分かってくれる」を提供していただきたい。
質疑応答
- 支援者が「報告・連絡・相談が大事。これが出来るようになりましょう」とよく話されているが、実際はとても難しい。
- ASDの人によっては、何に困っているかわからないけど、困っている、疲れている。
- 何をどのように、誰に・いつ・報告・連絡・相談すればいいのかわからない。
- この場面でできても、他の場面ではできない。
- とても難しいということを、支援者に理解してもらうにはどうしたらいい?
- どこか別の場所で練習しても、実際の場所ではできない(汎化の難しさ)。
- この部分に支援が欲しいということを支援者にどのように伝えれば理解してもらえる?
- 「ほう・れん・そう」をどうやってASDの人に教えればいい?
- 強度行動障害の人に対応できる人を増やすにはどうしたらいい?
現在は、ASDの教育もエビデンスがあるものが数多く出てきています。
今は、やりようがあるはず。
いかにASDの子どもたちに安心・安全の環境を提供できるか?
わかる喜び・わかってもらう喜びの機会を増やせるよう、群馬県自閉症協会も頑張りたいと感じた勉強会でした。
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群馬県自閉症協会は、一般セミナー・正会員限定セミナーなど、各種セミナーを主催しています。
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