自閉症の理解のために

自閉症をご存知ですか?

『自閉症』は、脳の情報処理の機能が混乱している生来性の障害です。

自閉症は、精神遅滞や学習障害やてんかん、その他の発達障害などを伴って生じる場合が多いですが、単独で生じる場合もあります。
残念ながら今日まで自閉症の原因は不明のままです。

脳のどの部位にどんな障害があるのか分かりませんが・・

  • 生後3歳くらいまでにあきらかになる一種の『発達障害』です。
  • コミュニケーションの障害があります。言葉については実際に話すことが可能な人でも、その言い回しやイントネーションに特有なパターンがあったりします。
    残念ながら言葉を全く話せない人たちもいます。
  • 又、社会的な関係を理解することが難しく、仲間と協調して遊べなかったり、友人関係を築く能力が損なわれたり、相手の気持ちや感情を理解できなかったりします。

誤解

  • 『無口の人』や『引っ込み思案の人』等といった内向的な性格のことをいうのでは、ありません。
  • 『ノイローゼ』や『心身症』といった心の病気でもありません。
  • 又、一昔前に言われていたような親の育て方や、子どものおかれた環境の心理的な問題が原因でもありません。

特徴は次の通りです。

この項目の少なくとも半分を自閉症は一般的に持っています。
又、自閉症の示す特微的な行動は多様な場面で現れ、子どもにより、また同一の子どもでも年齢により、現れ方や程度も様々です。

  • 不適切な笑い方やくすくす笑いをする。
  • 『どこ行くの?』と言うと『どこ行くの?』とオーム返しする。
  • 耳が聞こえないのかのように振る舞う。
  • 痛みに鈍感である。
  • 泣き叫びかんしゃくがある。(理由のわからない苦痛の態度を示す)
  • 物をくるくる回す。
  • 奇妙な遊びに没頭する。
  • 他の子どもたちの中に入れない。
  • 習慣を変えることに抵抗を示す。
  • 全身運動も指先の活動もぎこちない。(ブロック積み木はできても、ボール蹴りをしようとしない。)
  • 明らかな危険に恐怖がない。
  • 物に対する不適切な愛着が示す。
  • 落ち着きなく動き回るのに、手を引かれないと活動できない。
  • 愛情を示しても反応がない。
  • 通常の教育方法にはのらない。
  • 視線が合わない。

どんなことが必要でしょうか?

治療教育の目的は自立社会参加です。

  • 早期からの治療教育が必要です。乳児期からの科学的・統合的な治療は、予後に大きな効果をもたらしています。
  • 統合的治療の基本は、障害の子ども自身にかかわる働きかけと、まわりの受け入れ、理解、設備、様々な環境の要因を良くする働きかけです。
  • 脳の情報機能が混乱しているので、知能面、運動面、社会面、言語面などの各機能を統合するため、早期から一人一人に合わせた、一貫性のある、組織的、計画的な治療教育が必要です。
  • その為の治療教育機関が必要ですが、現在のところあまり多くありません。
  • 教育はかなり年長になっても必要です。現行の学校制度では、自閉症に対する教育が少ないです。
  • 成人になってかなり発達し、就職するようになっても自閉症の基本的な部分が残り、社会生活に支障をきたすこともあり、多くの人は、援助が必要とします。
    就労可能な人たちに対し、理解のある職場や、ジョブコーチなどの援助が必要といいます。
  • 自閉症の人たちには、生涯にわたる支援が必要です。

群馬自閉症協会について見る→ 協会概要